どうなる、どうする日中関係(11)
相手の国の言葉で書く「作文コンクール」も日中両国で開催中
2005年から民間交流を深めていくために「中国人の日本語作文コンクール」をやっていますが、中国では 100以上の大学から毎年 約2,000本の作品が寄せられています。作品集は本になっていますが、日本人の人から「読んで感心した。涙が出る」と言われました。
なぜかというと、彼らは日本に来たことがないのに上手な日本語を書ける。もう一つは、歴史問題や環境問題についてもよく勉強していて、自分の意見や主張をきちんと持っているからです。3回目までは作文は手書きでしたから、受賞した作品を本にまとめるための入力が大変でした。私の出版社のスタッフはわずかな人数ですから、いつも日本人の人たちがボランティアで入力してくれています。
その作品集を中国の学生に贈呈しています。いま 150以上の大学で日本語の作品集が副教科書として使われています。
その中で感じるのは、日本に対して憧れている人ばかりだということです。みんな日本の文化が大好きです。特にアニメはものすごく若者の中に人気があります。
また、「日本人の中国語作文コンクール」もやっています。なぜかというと、中国人による作文コンクールは日本に対する発信ですが、日本にいる私としては、日本人の皆さんが直接に中国に向けて発信できたらいいなと思ったからです。相手国の言葉で書くということで友好の気持ちを深めたい、そのような気持ちからです。入賞作品を収録した本は、日中対訳になっているため、本当に読みやすいです。
しかし運営は、中国政府からも民間からも1円の援助ももらっていませんし、小さな出版社ですから大変です。でも、今年の第4回からやっとスポンサーが見つかりました。それが先ほどのしゃぶしゃぶのお店です。皆さんに配ったチケットで、もしお店に行ってもらえれば、それがコンクールへの支援にもなるということを補足させていただきます。
さらに今年は、2008「日中青少年友好交流年」の認定事業にもなり、うれしい限りです。
ちなみに今年の作文のテーマは二つです。論文の部門は「日中WINWIN関係を築くには」、ノンフィクション部門は「私の知っている中国人」です。締め切りは9月30日ですから、我と思わん方はぜひ応募してみて下さい。
これからも、日中の良い面を紹介して相互の友好を深めるために、日本にいる中国人として情報の発信を続けていきます。皆さまのご協力をいただければ大変にありがたいことです。