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『子育て応援特別手当』中止　自治体、対応大わらわ

2009年10月16日

東京新聞【群馬】

　国の二〇〇九年度補正予算の見直しで、執行停止の見通しとなった「子育て応援特別手当」。支給に向けて事務を進めていた各自治体は、ホームページから申請方法を削除したり、支給に必要な電算システム開発のための委託契約を見合わせるなど、対応に追われた。　（加藤益丈）

　太田市は十五日、住所が住民登録と異なるドメスティックバイオレンス（ＤＶ）被害者らが手当を受け取るための「事前申請」の方法をホームページから削除した。住所が住民登録通りの人の申請期間（十二月以降）に先立ち、事前申請は今月一日から受け付けているため、詳細な手続きをホームページに掲載していた。ただ「幸い受け付けはなかった」という。

　桐生市は、電算システム開発の委託契約に向けて「そろそろ業者と打ち合わせをするはずだった」が、執行停止の方針を伝える報道を受けて急きょ先送りした。また、すでに広報誌十月号に手当の申請方法などを掲載しているが、執行停止が正式決定した場合に備え、締め切りが迫った十一月号に掲載するお知らせ文の案を固めた。

　両市とも九月議会で手当や事務費を計上した補正予算案が成立。しかし「国に問い合わせたが『やらない』とも『やる』とも言わない」（太田市）ため事務費を使っておらず、執行停止が決まっても実害はない。

　国は月額二万六千円（来年度は一万三千円）の「子ども手当」を新設する方針とはいえ、「市民に期待を持たせてしまい気の毒だ」（桐生市）との声も漏れている。