三井住友、大和提携解消で「どうなる今後の証券界」
三井住友、大和提携解消で「どうなる今後の証券界」
2009年8月5日
(MSN)
大和証券SMBCをめぐる提携解消で、三井住友フィナンシャルグループ(FG)は、法人向け証券を「自前で育てる」(幹部)難題に取り組むことになる。その前提となる買収した日興シティグループ証券には、自己売買部門や投資銀行業務は当初含まれず、大手証券幹部は「相当苦労する」と冷ややかだ。
大和側も大和SMBCの経営基盤が不安定化するのは避けられない。大和本社は7月に約2000億円の公募増資を実施し、財務基盤は改善されたが、4日の大和本社株は前日比33円安の508円と売り込まれた。
今後は独立系証券として、銀行系列化を嫌う企業の取り込みも期待できそうだが、「銀行のブランドと顧客基盤に頼り、足腰が弱った」(準大手証券)点を克服できるかが課題だ。
三井住友系企業の離反も懸念され、同じ独立系証券として競争相手となる野村ホールディングスも「くみしやすし」(幹部)との印象を強めている。
他のメガバンクや証券会社の出方も注目だ。三菱UFJFGは、傘下の三菱UFJ証券と米モルガン・スタンレーの日本法人を来春統合。みずほFGも子会社証券の統合を進める。銀行主導の証券再編で先行する両行には、「三井住友と日興が混乱している今がチャンス」(関係者)と映る。 一方で、大和本社が三井住友FGに代わる提携先探しに動く可能性もあり、新たな金融再編の呼び水となる可能性もある。